② 戦後すぐの教育
ある日,先生がそこで遊んでいる子どもをみんな集めて,学校に連れて行くんですよ。それを知っているもんだから逃げたり,学校に行きたくないから逃げたり,私も一回は逃げたんです。
ところが,何となくついて行ってみようかなということになって,ついて行ったんです。それが現在の城前小,そのころは初等学校といった。今の小学校ですよね,結局。その城前の初等学校に連れて行かれました。そこで組分けするんです。「はい,あなた何歳? 何年生?」なんて聞くんですよ,先生が。
そしたら,私は結局,年を越えていますから,もう6年生になっていた。6年生になっているんですが,「僕は5年生です」と。これは私なりに理由があったんです。6年生が5年生のところに行くと,体は少し大きいですよね。やっぱり力も強いから,けんかも強いわけだ。それから,授業をしても,こちらのほうが5年生よりはいいはずなんだ,というのが一つ。
それともう一つは,もしお父さん,お母さんと会っても,「君はなぜ1級下がったか」と言われても,「いや,5年生のときは戦争で何も勉強しなかったから」ということで言えるだろう,ということで私は5年生になりました。