④ 恐ろしい目にあう
近くに隠れておったグループが,いつの間にかいなくなるんですよ。要するに,どこかに連れて行かれるということ,話を聞いたんですね。
そうすると,私たちのところも次に来るかもしらんということで,私と私の兄貴,要するに,いとこ兄貴ですけれども,この兄貴が私より5歳年上で,本当だと防衛隊に行っているんですよ。防衛隊に行っているんだけれども,体が小さかったために,防衛隊に当たらなかった。
(アメリカ兵によって)どこかに連れて行かれるかもしらんということになると,やっぱり危ないから,われわれ二人はいつも監視をしていた。木の上に登ってですね,アメリカさんが来るのを見ていたんです。
民間人がおったんですが,その民間人が「読谷(よみたん)の人」と言っていましたけれども,その4名で,うちのところの谷底に来たんですよ。その谷底はものすごく深くてなかなか見つからないということで,結局,島の人はよく知っているから,そこ,行かないんですが,他島から来た人たちは,みんなそこに隠れるんですよ,途中。それで隠れておった。
ところが,そこはアメリカさんの通る道なんです。いつもの。ある日,木の上に登って見ていたら,下のほうでバシャンバシャンと,何か木の葉で人でも叩くような音がするんです。そうしたら,「どうしたんだろう?」と下のほうを眺めていましたら,何か人がゴソゴソ動いているようで,そうして何か日本語があるような,それから,英語が聞こえるような感じで,その下のほうでやっている。
そうしたら,しばらくしたら,パンパンパーッと鳴ったんですよ。「あれ? 殺された」ということでやったんですが,そうして何かアメリカさん,帰っていくみたい。
それから,何分かして,私たちのところに,そこからおじいちゃんと女の子二人が上がってきたんですよ。そして,そのおじいちゃんの話だと,結局,どこからか4名,読谷に帰るつもりで来たんだが,ここから向こうには行けないと,むしろ。それで,そこで,今夜はそこで,今日一日,日が暮れるまではそこにおっておこうということで,おっとったら,アメリカさんに捕まったと。
そのおじいさんの話からすると,結局,上の子が私と同じ年でした。当時5年生ですね。下の子が,何年生か知りませんが,8歳と言っていました。それとおじいちゃんでした。話だと,この上のお姉さんとおじいちゃんは後ろを向きなさいと。それから,この妹,8歳という子は,そのままお父さんを見せた。お父さんを,着物を着けているから上の半分,こう取っているんです。取らせて,そうして,この子ども,8歳の子どもの見ているところで撃ったらしいんです。そんなことがあって,そういう話を聞いて,「ひでえなぁ」と思ったんですがね。
そして,殺されたあと,お父さんが殺されたあと,ここに上がってきていた。上がってきて,そんな話をしたんですが,この人たちは,翌日,どこかに去っていきましたけれどもね。こういったことが,まず一つありました。